輸液療法 (2)
ペット 診療のこと
輸液療法は体の恒常性を保つのに非常に有効で、さまざまな病気に適応できます。しかし、「特定の病状にはこれ」というように結び付けて使うのではなく、持病や検査結果、身体所見、飲食の可否などを通じて総合的に判断しなければなりません。一般的には少し余分に輸液療法をしても体調を崩すことはありませんが、心臓が悪い子や、重度の腎臓病や低タンパク血症の子の場合は、慎重に輸液しないと逆に浮腫や肺水腫などの副作用を引き起こすことになります。
脱水に至った日数や既往歴、尿の量や飲食の有無など、飼い主が自宅で観察していることには大事な情報が詰まっているため、意識して情報をまとめておくと良いでしょう。普段の調子と比べることが多いので、比較しながら観察していると、うまく整理できると思います。
嘔吐(おうと)や下痢、慢性腎臓病など適応される子は幅広いので、「脱水かも?」と思ったら動物病院に相談してみましょう。
(2024年3月執筆)