マラセチア性皮膚炎
ペット 診療のこと
マラセチアは動物の皮膚などに常在する酵母で、いわゆる真菌(カビ)に分類されます。マラセチアは脂質が大好物で、皮脂が多いと、それを栄養源にして過剰に増殖します。増えすぎたマラセチアが脂肪酸などを産生し、表皮を慢性的に刺激し続けることでアレルギー反応が引き起こされ、かゆみが生じると考えられています。
脂っぽい皮膚やアトピー性皮膚炎を持っている子は特に注意が必要で、マラセチア性皮膚炎かどうかは特徴的な臭気や皮膚表面の細胞を採取して判断します。治療として、基礎疾患の管理を前提に外用薬や内用薬で攻める方法もありますが、マラセチアは皮膚の角質に付着しているため、皮脂と共に物理的に落とすシャンプー療法がすすめられます。
しかし、マラセチア用のシャンプーはしっかりと漬け置きして週2回程度の適度な頻度で行う必要があり、治療を終了しても再発しやすいため、計画的な治療と管理が重要です。
(2023年10月執筆)