甲状腺機能低下症
シニア ペット
前回は甲状腺機能亢進症の話をしましたが、今回はその逆、甲状腺機能低下症の話をしようと思います。老齢の犬に多く猫ではまれですが、前回の話とは逆に甲状腺ホルモンが出ないことによって代謝が落ちるので、一気に老け込んだような症状が出ます。例えば、食事を変えていないのに太る、徐脈が目立つ、寒くて震えることがよくある、活力が何となく落ちている、脱毛・脂漏・色素沈着などの皮膚症状が出ているなどの症状がよく見られます。
少し厄介なのは、この病気を診断するときには血液検査で多くの項目を総合して考えることが必要で、投薬している薬によっては数値が変化してしまう可能性があります。この病気の重要なことは、治療によって臨床症状が改善するかどうかで、診断がつくと生涯にわたる投薬でコントロールすることになります。根気強い処置が必要になりますが、うまくいけば様子が若返り予後は良好です。
(2021年1月執筆)