
しっかりかめる喜びを取り戻す
口・歯 診療のこと
食事は体に必要な栄養の摂取の他に、料理を味わったり、会話を楽しんだりして人生を豊かにしてくれます。しっかりかめる歯がないとその楽しみが減るだけでなく、食材を上手にかみ砕けないので誤嚥などの危険性が生まれます。歯があることは一見当たり前のようですが、歯がないと生活の質は下がってしまうのです。
本来人間は28本の歯がありますが、歯科疾患実態調査によると、50代で3.5本、60代で7本、70代以上では半数近くの歯が失われているという資料があります。また年齢を重ねるに従い、歯周病疾患率も高くなり、歯があってもグラグラで「かむこと」ができない人も。その場合、無理に歯を残そうとすると他の歯に悪い影響が出たり、治療が長引き終わりが見えなくなることがあります。その解決策の一つとして、近い将来ダメになってしまうグラグラしている歯を抜歯し、上または下顎に最少4本のインプラントを埋入して総入れ歯を支える「オールオン4」という治療法があります。手術当日に仮歯が入り、最終的には自分の歯のようにしっかり食材をかめるようになります。治療には十分な検査と患者さんとの情報共有が大切です。また、顎の骨が少ないなど状況によって治療ができない場合もあります。その場合、頬骨を使った「ザイゴマインプラント」という治療法もあるので、まずはかかりつけ医に相談しましょう。しっかりかめる喜びは取り戻せる時代です。
(2025年3月執筆)
