ピロリ菌が関連する病気とは
胸部・腹部 診療のこと
4月は新年度特定健診受診の季節です。当院でも胃がん検診(胃内視鏡検査)を含めた各種検診を行っています。胃がん検診は早期胃がんのスクリーニングだけでなく、ピロリ菌への感染有無をチェックすることも大きな役割となっています。
胃がんの約95%以上がピロリ菌感染によるものといわれており、ピロリ菌の感染があると胃がんのハイリスクとなりますが、実はピロリ菌はさまざまな病気の原因にもなり得ることが分かってきています。慢性胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎などに関連していますが、胃だけでなく、ITP(特発性血小板減少性紫斑病)や鉄欠乏性貧血でもピロリ菌が強く関連しているといわれ、除菌治療が強く推奨されています。
その他、慢性じんましんや糖尿病、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病でも関連性があると認められており、今後の治療に生かされていく可能性があります(H.Pylori学会ガイドラインより)。
(2024年3月執筆)