それは、いつもの風邪ですか?
熱・咳・寒気 診療のこと
喉が痛くて、発熱もあるなどの症状があるときは風邪を一番に考えますが、風邪と似た症状で区別がつきにくく、しばしば見られる病気に「亜急性甲状腺炎」があります。これは甲状腺という、喉仏の少し下にある、蝶のような形をした臓器に炎症を起こす病気です。
甲状腺は体を活発にする作用のあるホルモンを作っていますが、この病気にかかると、甲状腺のホルモンが急激に増えて、熱が出たり発汗が増えたりと、風邪と似た症状が出ます。亜急性甲状腺炎も風邪もともに喉が痛くなりますが、風邪の場合は外から喉を押しても痛みはほとんどありませんが、この病気の場合は喉の一部を押すと痛みを強く感じます。
血液検査や超音波検査などで診断をつけます。症状の程度によってはステロイドなどを服用することもあります。喉の痛みがあって、普通の風邪と何か違うと思ったら、主治医に相談してみましょう。
(2023年11月執筆)