胃食道逆流症(GERD)について
成人 胸部・腹部
胃食道逆流症とは、胃酸の逆流により引き起こされる食道粘膜傷害とわずらわしい症状のいずれか、または両者を引き起こす疾患であり、食道粘膜傷害を有する「逆流性食道炎」と症状のみを認める「非びらん性逆流症(NERD)」に分類されます。逆流性食道炎の有病率は約11%、有訴者率は約18%といわれており、これは食道炎の画像所見がなくても症状を有している人が多いことを意味します。
主な症状は、胸やけと呑酸(酸っぱい水が上がってくる)です。また、胸痛や喉頭炎・咳嗽・喘息・虫歯なども、実は胃食道逆流症と関連している場合があります。風邪や喘息ではないけれど、長く続く咳などはこの疾患を疑ってみても良いかもしれません。
増悪因子として、激しい肉体運動や脂肪摂取の増加・過食・肥満・円背・ストレス・一部の薬剤(カルシウム拮抗薬など)が挙げられます。自覚症状が思い当たる人は、ぜひ一度相談してください。
(2022年5月執筆)