動悸・倦怠感に潜む甲状腺疾患
成人 血液・血管 診療のこと
運動していないのに息切れしたり動悸がしたり、疲れたりする人はいませんか? 採血で貧血や肝障害がなく、胸部レントゲンや心電図でも異常がないから大丈夫、とは言い切れません。気を付けなければならないのは甲状腺疾患です。
甲状腺は、甲状腺ホルモンという活気を出すホルモンを分泌しますが、症状がひどくなるまで異常が分かりません。ホルモンが出すぎると動悸がしたり手が震えたり代謝が亢進したりして痩せてきます。眼球突出という特徴的な症状も出現します。反対にホルモンが出なさすぎると代謝が落ちて、疲れやすくなったりだるくなったりむくんだりします。また、体重が増えて、食べていないのにコレステロールが増えることもあります。
健康診断で大きな異常がなくても動悸・息切れ・だるさ・体重の増減などがある人は、一度受診することをおすすめします。また、コレステロール値が高い人は甲状腺ホルモンの採血をしてみましょう。
(2022年3月執筆)