急に立ち上がらないでください
季節の注意 血液・血管 頭部・首・肩
これから暑い季節になりますが、気温が高いと全身の血管が拡張したり、脱水気味になったりして、血圧が下がりやすくなります。寝ている姿勢やしゃがんだ姿勢から立ち上がったときなどに、目の前が暗くなったり、気が遠くなったりする症状を「立ちくらみ」といいます。
この症状は起立時に一時的に血圧が下がる「起立性低血圧」が原因で、失神することもあります。血液は、立ち上がると下半身に移動しますが、通常はそれに対し下半身の血管が自然に収縮して血液を心臓の方に戻します。この機構が十分に機能しないと、心臓から脳に向かう血液が足りなくなり、立ちくらみなどの症状が出ます。
脱水状態のときや降圧薬などを服用しているときは、特に症状が起こりやすくなるので、立ちくらみが出やすい人は注意してください。もし立ちくらみを感じたら、すぐにその場でしゃがんだり、横になったりしてください。
(2021年6月執筆)