胃がんは細菌が原因です
胸部・腹部
胃がんの原因の多くは、なんとピロリ菌という細菌です。ピロリ菌は、胃の防御機構が未熟な2~3歳くらいまでに胃に感染すると、その後ずっと胃に住み着き、胃炎や胃潰瘍の原因になり、胃炎が長期間続くと胃の粘膜が傷み胃がんができやすい状態にもなります。しかし幼児期以降にピロリ菌が胃に侵入しても、胃の防御機構が完成しているため、ピロリ菌は住み着くことができません。このように一度もピロリ菌に住み着かれたことのない人は、胃がんになる心配はほとんどありません。
もしピロリ菌に感染していても、1週間薬を飲めば多くの場合は除菌でき、一度除菌されれば再度感染する心配はほぼありません。除菌により胃潰瘍などの再発は大幅に減り、胃がんになる確率も約半分まで下がります。まだ検査を受けたことがない人は、一度は胃の内視鏡検査と必要に応じピロリ菌の検査を受けておくとよいでしょう。
(2020年10月執筆)