加熱で予防できる肝炎もあります
胸部・腹部
ウイルスによって起こる肝炎の中で、届出数が増えているのが「E型肝炎」です。肝炎を起こすウイルスはA~E型の5種類がありますが、E型肝炎ウイルスはあまり聞き慣れないかもしれません。
E型肝炎ウイルスは主に食物を介して感染し、特にブタやイノシシ、シカなどの肉や内臓の過熱不十分な調理や生食が原因として知られています。E型肝炎ウイルスに感染しても、多くは症状が出ることはありませんが、肝臓の機能が急に悪化する急性肝炎になることもあります。特に妊娠中にかかると、非常に重症で命に関わる劇症肝炎になる確率が高いと言われています。また免疫機能が低下している人の場合は、長年肝炎が続く慢性肝炎になる可能性もあります。
E型肝炎はワクチンが無いため予防が大切です。予防法は肉類の生食は避け、十分に加熱調理をすることです。これはすべての経口感染症や食中毒予防の基本です。
(2020年6月執筆)