血圧測定とその評価
季節の注意 診療のこと
寒さで身体がキュッとなる季節、血管も同じく収縮します。高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患だけでなく、心不全や慢性腎臓病、認知症などの強い危険因子にもなります。これらは加齢と動脈硬化を基に発症し、高血圧を治療することで予防できます。近年血圧の基準値は厳しくなっており、これにはより早期からより低く24時間にわたる降圧が推奨される、という治療目標があります。
血圧は絶えず変動しており、年齢やストレス、食事、生活習慣、合併症などにより悪化します。健診や診察室での血圧は時間帯や緊張などのため高めになることが多いので、適正な評価と治療方針のため、ご自宅で毎日同じ条件で計測することをおすすめします(例えば起床時の排尿後、椅子に腰かけて計測するなど)。1回目が高い場合は3回測定し、2回目と3回目の平均値としても構いません。血圧の変動の幅を少なくし、健康寿命を延ばしましょう。
(2020年1月執筆)