かみ合わせ治療とオーラルケア改善(3)
口・歯 診療のこと
歯を削る(形成する)ときに難しいのは、歯と歯の隣接面の歯肉縁に沿ったラインです。削る前にフロスケアができていて、健康な隣接面歯肉でポケット内粘膜も健康であれば、出血浸出液はありません。丁寧な形成で歯の根元の脱灰ラインを修復がカバーし、咬合圧で浮き上がったり曲がったり、残したエナメル質にヒビが入る形成型でなければ、仮歯で6か月以上問題ありません。
しかし脱灰ラインを残し、歯肉縁上に形成ラインがあったり、フロスケアができておらず、隣接面歯肉が歯周炎の場合、形成後の歯型取りが出血浸出液によって妨害され、ミクロン単位で細かくできません。そのため、できた修復物は自費であろうと大雑把な縁形状になり、セット後すぐにばい菌の温床になります。数年後には脱灰むし歯や、隣接面の歯槽骨吸収の進行と隣接根面露出による根面むし歯だけでなく、菌繁殖で心臓病や脳内出血の原因となり得ます。
(2019年9月執筆)