去勢手術
ペット 診療のこと
去勢手術とは、すなわち精巣を摘出する手術のことで、この手術により精巣の機能はなくなります。性ホルモンの分泌がなくなるので、これにより誘発される行動や病気が抑制されます。従って、尿マーキングや雌を求めての遠吠えや放浪、闘争本能やかみ癖など、人間社会で生活する際に困ってしまうことを抑制したり、性ホルモンが関与する肛門周囲腺腫や会陰ヘルニアなどの大きな病気も抑制したりすることができます。
また、生後2か月以降になっても陰嚢内に精巣が2つない子は停滞精巣(陰睾)と言って、鼠蹊部の皮下や腹腔内に精巣がとどまっている可能性があり、これを放置すると腫瘍化するリスクが非常に高く危険です。このように、去勢手術が絶対に必要とは言いませんが、長い間一緒に過ごす家族として、また本人のためにも、実施するメリットは非常に大きいです。悩んでいる人は動物病院に一度気軽に相談してみましょう。
(2019年9月執筆)