ビタミンDとアレルギー
アレルギー 子ども
ある種のコレステロールは、皮膚で紫外線の作用によりプレビタミンD3となった後、さらに肝臓と腎臓で代謝され活性化ビタミンDとなります。カルシウムの代謝に大切なビタミンDは免疫にも関係があり、アレルギー反応の抑制や皮膚、肺からの抗菌物質の分泌促進作用などが知られています。
日照時間が少ない秋から冬に出生した児は、鶏卵・牛乳・小麦の特異的IgE抗体上昇のリスクが増加するとの報告があります。また、白色人種での報告ですが、臍帯血中のビタミンD3の値とアレルゲン感作率とは負の相関関係を示したとのことです。これらの報告により、ビタミンDとアレルギーとの密接な関係が示唆されますが、投与時期や量、期間、投与方法などに関する情報は十分ではありません。少なくともビタミンDがアレルギー反応を抑える効果があるのは間違いなさそうですので、児に対する適度な日光浴は有効だと思います。
(2019年9月執筆)