FAの発症予防
アレルギー 予防 子ども
乳児期のアトピー性皮膚炎(AD)への早期介入(離乳食を開始する前)は、食物アレルギー(FA)の発症を抑制する可能性が高いことが分かっています。しかし国立成育医療研究センターで行われた、アトピー性皮膚炎(AD)患者を対象にした、加熱鶏卵の早期摂取による卵アレルギー発症予防を目指した研究結果から分かったことは、皮膚のみの治療を行っても経口的に抗原(鶏卵)を摂取しなければ、卵アレルギーの発症は予防できないという結論でした。
このことから、今後はFAの発症予防にはADに対する早期介入だけでなく、早期にいろいろな食物抗原を摂取して経口免疫寛容を誘導することを、湿疹の治療と一緒に行うことが重要であると考えられます。ただし、すでにFAを発症している患者さんに原因食物を摂取させることは危険ですので、アレルギー専門医の指導の下に、離乳食の開始を検討してください。
(2018年11月執筆)