脳梗塞がすぐに良くなった?
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「一過性脳虚血」という病気を聞いたことがありますか? これは手足が動き難くなる、ロレツが回らなくなるなどの脳梗塞に似た症状が出るものの、しばらくすると症状が良くなってしまう疾患です。多くの場合、症状は1時間以内に改善し、その後は完全に症状は消失します。
この病気は脳の血管が一時的に詰まることにより起こり、原因は脳梗塞と全く一緒です。異なるのは血流が途絶えている時間だけで、短時間の内に血流が改善すれば症状は消えますが、血流が長時間途絶えると脳の細胞が傷害されて脳梗塞となり、後遺症を残す可能性が出てきます。つまり一過性脳虚血は脳梗塞の一歩手前のとても危険な状態なのです。
実際に一過性脳虚血になった人の1割以上が3か月以内に脳梗塞になると言われています。脳梗塞に似た症状は短時間で治ったとしても安心せず、医療機関を受診し適切な処置を受けるようにしましょう。
(2018年10月執筆)