歯科医師として
シニア 口・歯 診療のこと
私は歯科医師である前に、この地域に根を下ろす生活者です。人とふれあい、つくし、そして何らかの喜びを共に分かちあえること、それが喜びの一つです。歯科治療は、売って終わりのような関わりでは成立しません。患者さんと共に生き、老い、病の時も傍にいることが一つの歯科治療だと考えています。患者さんが歯のことばかり考えているのもおかしいですし、我々が患者さんにそれを強要する事もおかしな話です。普段はホームケアを実践し、定期的に会いに来ていただく。私たちはその数か月間の患者さんを想像しながら、大切なお口を検診する…そういう自分であるために、自己研鑽が大切だと考えます。
歯科治療は日々進歩し、歯科医師が自分の得意分野で患者さんの治療を進めていたのはもう昔のこと。多彩な治療技術と患者さんの要望をマッチングし、専門医と高レベルでの連携を図り、患者さんの異変をいち早く発見するための歯科治療を行うのが標準です。私たち歯科医師も課題を乗り越えて進歩し、永くお付き合いをさせていただきたいと思います。
新百合ヶ丘で10数年歯科医をしていますが、地域柄なのかとても穏やかで健康的な人がたくさんいらっしゃいます。私が師事している先生はこう話されています。「NNKではなくPPK」。意味は「ネンネンコロリではなくピンピンコロリ」。認知症と歯の因果関係も解明され、かみ合わせが悪いと認知症率が高くなるという統計結果が出ています。つまり、しっかり噛めるということはとても大切なことなのです。ぜひPPK(ピンピンコロリ)を目指して、人生を楽しみましょう。
(2017年12月執筆)