噛みしめで咬み合せが狂う?(3)
予防 口・歯
下奥歯が内側に傾いたまま成人になり40歳を超えた場合、内側の歯槽骨被骨の上部が外傷性咬合で吸収しながら奥歯はさらに内側に傾きます。それはピサの斜塔が土台を補強してもなお、ゆっくり傾くのと同じです。
歯の根の形状は円錐形であって、歯軸と咬合力の方向が合致しない場合は歯が傾きます。さらには、歯槽骨の下部が上部の弱体化を補強するように骨増強が起き、歯ぎしり食い縛りで骨隆起という大きなこぶ状の棚が歯槽骨にできてきます。歯列の内側には歯ブラシ毛先が歯の根元に届きにくく、さらに歯周病が進行します。
歯間部の骨破壊・吸収が一番進み、ここを柔らか歯間ブラシなどで手入れするのは、当医院が指導する3Dのフロスケアと比較しても磨き残しが多く、柔らか歯間ブラシでの手入れでは、歯周病予防効果はほとんどないと言えます。CMなどの臨床レポートを鵜呑みにしてはいけません。
(2017年11月執筆)