大動脈弁狭窄症に新しい治療法
胸部・腹部 診療のこと
心臓の中には血液の逆流を防ぐため4箇所に弁があり、それらの弁がうまく働かなくなった状態を弁膜症と呼びます。その中でも大動脈弁という心臓の出口にある弁が開きづらくなる「大動脈弁狭窄症」は注意が必要です。病状が進むと、息切れや失神、歩いた時に胸が痛むなどの症状が出るようになり、突然死をすることも稀ではありません。
病気が診断されるきっかけは、これらの症状以外にも健康診断や風邪などの他の病気で受診した際に、心雑音で見つかることも多くあります。治療は外科手術で病気の弁を人工の弁に取り替えるのが主流です。
しかし、この病気の多くは動脈硬化が原因ですので、高齢の患者さんも多く、年齢的・体力的に手術ができない場合も多くありました。最近になりカテーテルにより治療をすることも可能になり、これまで手術による根本的な治療を諦めていた人も治療ができるようになりました。
(2017年10月執筆)