歯科治療における私たちの考え
予防 口・歯 診療のこと
歯科治療を考える際、歯科医院の治療方針は大切な事柄の一つです。改めて私たちの歯科治療における考え方をお話しします。
●予防歯科について…予防歯科は私たちが最も力を入れている事柄の一つです。歯周病予防にも通じますが、大切なのはご自身のセルフケアです。毎日行うブラッシングができていなければ意味がありません。私たちと一緒にブラッシングを学んでいきましょう。もちろん、効率的にブラッシングの効果を高めるためのクリーニングや歯を強くするフッ素塗布、抗菌剤を使い虫歯や歯周病を防ぐ3DSという方法も準備しております。気軽にご相談いただきたいと思います。
●インプラントに対する考え方…どの場合でも、インプラントが一番良いというケースは基本的にありません。インプラント治療は歯が喪失している、もしくは歯が弱くなり耐えられないといった場合にのみ選択肢として挙がるものです。歯を失ってしまった場合、その部位を代わりのもので補う必要があります。それは見た目や食事のため、そして放置することで咬み合わせの狂いを防ぐためなどさまざまです。一般的に歯が無くなってしまった際、インプラント、ブリッジ、入れ歯の選択肢が挙がりますが、補綴学会の共通認識ではインプラント治療を選択した場合、その後の更なる歯の喪失が少なくなるという見解を出しています。インプラントは歯科医師の技量により治療ができる部位や仕上りに差があります。インプラントについても技術(歯科医師の施術的な限界ではなく)についてしっかり説明してもらえる歯科医師にかかることが重要です。
最後に、インプラントは高額な治療方法ですが、「一生持つもの」でしょうか。女性の平均寿命が89歳となっている現在、仮に50歳の方が治療をした場合、40年近く機能しなければならないのです。全くトラブルなく機能する可能性の人が少ないのではないでしょうか。大切なのは、今回行った治療のその次まで見据えていくことです。当然、スムーズに機能し続けて欲しいのですが、「一生モノ」ではありません。今以上に悪くしない、できるだけ長持ちさせることを心がけ、毎日のお口のケアと定期検診を一緒にしていきましょう。
(2017年9月執筆)