血液検査で見る膵臓
ペット 血液・血管 診療のこと
膵臓は消化酵素やインスリンを分泌する臓器です。胃で粥状になった食物は十二指腸で胆汁と膵液によってさらに分解され、小腸から栄養として吸収されます。膵臓からは蛋白分解酵素(トリプシノーゲンなど)、糖質分解酵素(アミラーゼなど)、脂質分解酵素(膵リパーゼなど)が分泌されます。
代表的な病気としては、急性膵炎や膵外分泌不全や糖尿病などがあります。それぞれの症状に加えて血液検査で病態の把握や確定を行います。急性膵炎ではスクリーニング検査中でアミラーゼやリパーゼの上昇とともにALT、AST、T-bil、WBCなどの上昇を見ます。犬膵特異的リパーゼ(Spec cPL)や犬トリプシン様免疫反応物質(c-TLI)などで診断します。
また糖尿病では血糖値(GLU)や糖化蛋白(フルクトサミン)や尿検査(ケトン体や尿糖)で診断します。いずれも臨床症状と合わせて総合判断が必要です。
(2017年7月執筆)