胃がんの原因はバイ菌です
胸部・腹部 診療のこと
「がんの原因がバイ菌」と聞くと驚くかもしれませんが、世界保健機構は以前からピロリ菌は胃がんの原因で、胃がんにならないためにはピロリ菌の除菌が大切としています。ピロリ菌は胃に住み着くバイ菌で、胃炎や胃潰瘍の原因になり、胃炎状態が続くと胃の粘膜が傷み胃がんができやすくなります。一方、ピロリ菌に感染したことがない人は胃がんになる心配はほとんどありません。
ピロリ菌は子どもの頃に感染し、胃に住み着きます。感染は幼児期の衛生状態などに関係し、中年以降は半数以上、若年層でも約2割の人が感染していると言われています。もしピロリ菌が感染していても一週間薬を飲めば多くの場合は除菌でき、一度除菌されれば再度感染する心配はまずありません。除菌により胃がんになる確率は大幅に下がります。まだ検査を受けたことがない人は、ぜひ検査を受けておきましょう。
(2017年4月執筆)