マダニの恐怖~犬のバベシア症~
ペット 予防 季節の注意
マダニが媒介する病気の一つに犬のバベシア症があります。この病気は、バベシアという寄生虫(原虫)が赤血球に寄生して貧血を起こします。以前は、ほとんどが西日本での発生でしたが、近年、東日本でも増えてきました。バベシアに感染すると、発熱・貧血により粘膜や皮膚が白くなります。また、赤血球が壊されることによって、ビリルビン尿という濃い尿が出ます。診断には血液検査と遺伝子検査があります。
治療は、複数の薬を組み合わせて治療しますが、長期間の投薬が必要で、回復には時間がかかります。感染すると、5%の犬は症状が重くなり亡くなる場合があります。また、回復しても体の中からバベシアがいなくなることはありませんので、3割以上の犬で再発します。感染してから治療するのではなく、マダニを予防することが大切です。マダニ駆除薬にはいろいろなタイプがありますので、動物病院で相談してください。
(2016年8月執筆)