なぜ食物アレルギーが起こるのか
アレルギー 予防 時事
人には口から入った食物が腸管内で消化・吸収される過程で、体にとって有害な反応を起こさないようにする免疫寛容(めんえきかんよう)というシステムがあります。食物アレルギー(以下、FA)の発症のメカニズムには不明な点が多く残されていますが、何らかの理由によりこのシステムが破たんした結果、特定の食物を体が「外敵」であると間違って認識してしまい、本来作られることがない食物に対する抗体(IgE)ができてしまったためにFAが起こると考えられています。
つまり、口から入った食物が消化・吸収される過程で免疫寛容は成立しますが、バリア機能が障害された皮膚から入ってきた食物では免疫寛容は起こらず、逆に外敵と認識してしまいFAが進んでいくことになります。
昨今、FAの予防のために皮膚の乾燥や皮膚炎に対する治療の重要性が叫ばれているのは、この考え方が根本にあるからです。
(2016年11月執筆)