アトピー性皮膚炎の予防は可能か
アレルギー 予防 子ども
アトピー性皮膚炎(AD)の予防は可能か?という命題に対して、母乳栄養・授乳中の母親及び児の食物制限・離乳食開始を遅らせる・環境整備・乳酸菌製剤の服用など、さまざまな方法が検討されてきましたが、はっきりとした効果が証明されたとは言い難い状況です。ところが2014年に国立成育医療研究センターから画期的な研究結果が報告されました。ADの発症リスクが高い乳児に対して、新生児期から保湿剤を塗布したグループは、生後8か月の時点でADの発症頻度が低くなりました。さらにADが発症したグループでは、発症しなかったグループに比べて卵に対する血中抗体ができやすいという結果でした。ADが発症するリスクが高い(家族にAD患者がいる)乳児に対しては新生児期から保湿剤を使いましょう。それによって皮膚のバリアが保たれ、ADおよび食物アレルギーの発症が抑えられる可能性あるのです。
(2015年2月執筆)