尿結石による閉塞
ペット 診療のこと
犬・猫の結石はストラバイトとシュウ酸Caが多く、腎孟・膀胱で形成された結石が尿管や尿道で詰まり、尿の排泄が阻害されるために、急速に病状が進むと腎不全に陥る怖い病気です。尿管結石では重度の腹痛や背部痛により食欲廃絶、元気消失などが見られます。左右の尿管結石が同時に起こると急速な腎不全となります。尿道結石では排尿姿勢をとりますが排尿がなく、次第に膀胱中に尿が充満し2日以上の経過では下腹部の疼痛と悶絶状態となり、重症になると意識レベルの低下が見られます。いずれも症状の悪化が早いため、閉塞を解除することがとても大切です。その後、ストロバイト結石の場合では内科的に、食事療法や薬による溶解療法が考えられます。しかしシュウ酸Ca結石では溶解療法はうまくいかないため、外科的な摘出が必要となります。部位により治療法が大きく異なりますので、適切な診断が大切です。
(2015年12月執筆)