ザイゴマインプラントについて(2)
口・歯 診療のこと
歯根まで失ってしまった患者さんが歯の機能を回復させるために、インプラント治療を選択することが珍しいことではなくなりました。歯周病や虫歯の再発などによって多くの歯を失ってしまった場合、最少4~6本のインプラントで義歯を支えるAll-on-4治療は、全ての義歯をインプラントで補う場合と比べて患者の体にかかる負担、治療時間、費用を軽減できるので、総入歯でお悩みの人も選択することが多くなっています。
インプラント治療で重要なことの一つが、治療する顎の骨量と骨密度です。これまで骨量や骨密度が少ない、または顎の骨が薄い場合は人工骨で骨量を補う「サイナスリフト」とよばれる技術を使うなど、骨量を事前に増やす必要がありました。ザイゴマインプラントは、骨として固い頬骨(ザイゴマ)までインプラントを埋入するため、サイナスリフトなどを行わずに治療が可能です。
通常のインプラントは10~16mmの長さですが、ザイゴマインプラントは50mm以上のインプラントが埋入されます。埋入角度がほんの少し違うだけで、その後の誤差が生じるため、日本全国でもザイゴマインプラントを行える医院は非常に少ないのが現状です。
当院では日々研鑽を重ね、インプラントの世界的メーカーであるストローマン社から技術証明書を受けている歯科医が担当します。ザイゴマインプラントについては、治療におけるリスクや体の状態など担当医との十分な連携が必要です。自身のお口の状況に合わせた治療法を、担当医とぜひ相談してください。
(2024年6月執筆)