心臓に菌が付いてしまう病気
胸部・腹部 診療のこと
感染性心内膜炎という病気があります。これは、心臓の中で血液が逆流するのを防ぐためにある弁に、細菌が付いてしまう病気です。何らかの原因により血液の中に細菌が入り、それが弁に付着し菌の塊ができます。全く正常な弁に菌が付くことはほとんどありませんが、弁に異常がある場合には菌が付いてしまう可能性があります。
最初は発熱や倦怠(けんたい)感が主な症状ですが、菌の塊の一部が血流に乗って脳などの血管に詰まったり、弁が壊れることで急速に弁膜症が悪化して心不全を起こしたりすることもあります。菌が血液に入り込む原因で多いのが、抜歯などの歯科処置です。もともと心臓の弁に異常がある人は、歯科処置などの際には抗生剤を予防的に服用するなど、特に注意が必要です。
かかってしまった場合、治療は抗生剤の点滴をします。重症の場合は、感染した弁を交換したり修復したりする手術を行うこともあります。
(2024年5月執筆)