気管虚脱
ペット
この病気は日常的に遭遇する代表的な呼吸器疾患で、ポメラニアンやマルチーズなどの小型犬に多く見られます。主な症状は咳やアヒル様呼吸音ですが、飼い主としては変な咳を頻繁にするといった感覚で気付くことになると思います。
この疾患は、喉から肺まで空気の通り道として管腔構造をとる気管が、虚脱してつぶれてしまうことで、呼吸時に咳などの症状を引き起こします。本来はホースのようなしっかりしたものが、空気が通っただけでつぶれてしまうようなイメージです。興奮や運動、首輪などで圧迫したときに症状が特に出やすいので注意が必要です。
診断は触診やレントゲンで十分判断できることも多くあります。しかし、この疾患は潜行性および進行性で、内科治療である程度症状が改善されることも多いですが治癒することは難しく、理論上は重度になると外科的な処置が必要になることもあります。
(2023年4月執筆)