食中毒にご用心
季節の注意 胸部・腹部
新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、感染性胃腸炎の発生数が増加傾向です。下痢・嘔吐・腹痛などを認める急性胃腸炎症状のうち、食中毒(細菌・ウイルス感染)によるものを感染性胃腸炎といいます。
ウイルス性胃腸炎で最多はノロウイルスですが、その多くは冬場に発生し、生がきなどが原因となります。細菌性食中毒で最多なのは「カンピロバクター」で、生鶏肉や生乳などが原因となります。潜伏期間は2~7日で、下痢症状が重症化すると血便になることがあるので注意が必要です。「サルモネラ」は鶏卵や牛肉からの感染ですが、潜伏期間は6~48時間で、こちらも重症化すると血便になることがあります。
その他注意すべき食中毒には、弁当やおにぎりなどから感染しうる「黄色ブドウ球菌」があります。潜伏期間が1~6時間と短く、激しい嘔吐を伴う下痢や腹痛症状があります。脱水症になりやすいので、症状を認めた際は早めに受診を。
(2022年7月執筆)