体にできものがある!(2)
ペット 診療のこと
今回は、よく遭遇する「できもの」について具体的に説明します。乳頭腫はパピローマウイルスの感染による表皮にできる良性腫瘍で、同じような見た目で非ウイルス性のものもあります。これらが、いわゆる高齢犬のイボとよく言われるものです。乳首みたいな形だったりカリフラワー状のものだったりすることが多く、自然退縮することはほとんどありませんが、全身に悪さをすることは少なく、外科的切除で完治することが多いです。
急速に増大したり自壊の傾向がみられたりする場合は、悪性転化の可能性もあるので診察を受けましょう。皮内角化上皮腫は皮膚の下に嚢胞ができており、そこに角質がたまることによって膨らんで見えます。これは、表皮を少し切って中の角質を絞り出すと見た目上はなくなりますが、嚢胞が残ったままになってしまうと同じ場所に角質が再びたまり、細菌が感染すると強い炎症を起こすこともあるので注意が必要です。
(2021年11月執筆)