保定(1)
ペット 診療のこと
今回は保定と呼ばれる、ペットを支える技術や心構えについて話していこうと思います。
病院では、診察や治療をする際に、どうしても飼い主さんに協力してもらわなければならないことが多々あります。医療行為の必要性はペットには理解しがたいので、処置中に動いたり、場合によっては攻撃してしまったりするのも仕方のないことではあるのです。しかし、そこを何とかするのが我々の役目です。処置によってさまざまな技術やコツを押さえて、なるべくストレスがないように動物に触っています。
どの処置にも共通して飼い主さんの協力が不可欠なのは、その子の性格を把握することです。臆病なのか社交的なのか、普段はおとなしいけれどスイッチが入ると口が出てしまうのか、物音に敏感なのか、好きなおやつで気をそらすことができそうかなどをぜひ教えてください。保定がうまくいくかは、触る前に勝負が決まると言っても過言ではありません。
(2021年3月執筆)