震え(2) 痛みが原因となっている場合
ペット 診療のこと
いつもは帰宅するとうれしそうにお出迎えしてくれたり、ごはんの時間を待ち遠しそうにしてソワソワするのに、「部屋の隅でじっと震えている」、「いまひとつ動きに覇気がない」、そんな姿を見たことはありませんか? 他にも抱っこしようとしたら「キャンッ!」と鳴いたり、段差の上り下りが慎重になったり。こんな症状が見られるときの「震え」は、痛みが原因となっている場合があります。
痛みのもとには、背中や腰の痛み、腰椎からくる「神経疾患」、膵炎など腹痛を伴う「消化器疾患」などがあります。消化器疾患はお腹をかばう様子が見られたり、お腹がキュルキュルと鳴る音が聞こえたり、嘔吐や下痢などの症状を伴うこともあります。その他、けんけんをして片足を挙げてかばうなどの様子が見られる「筋骨格疾患」、膀胱の炎症や尿石症などの「泌尿器疾患」など、痛みのもとはさまざまです。震えはこれらの痛みのサインのひとつとなります。
(2021年1月執筆)