プロバイオティクスとFA
アレルギー 子ども
適当量与えたときに健康効果を発揮する生きた微生物と定義されるプロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌など)の大切な働きとして、腸内細菌叢バランスの改善があります。なぜ腸内細菌叢のバランスが大切かというと、腸管は最も多くの免疫細胞が存在する生体最大の免疫臓器であり、腸管に共生する腸内細菌叢が免疫に深く関わっているからです。
動物実験で亜麻仁油を使った餌を食べさせると消化管アレルギーが予防・軽減され、これには腸内細菌の働きが不可欠であることが証明されました。人ではどうでしょうか。プロバイオティクスを妊娠後期や授乳中の母、乳児に摂取させると湿疹のリスクは軽減しますが、食物アレルギー(FA)を予防するかどうかの結論が得られていません。残念ながらプロバイオティクスのFA予防効果を証明する十分な科学的根拠はありません、というのが結論のようです。
(2019年7月執筆)