口呼吸の弊害と歯並びの関係(4)
口・歯 診療のこと
医療安全を考えた予防歯科。長期耐久性longevityな、お口の中の安全を目標にした治療を受けましょう。
口呼吸は全く意識しないで行っている場合がほとんどです。片鼻詰りで低位舌のポジションで生活を続けていると、上歯列は頬筋の作用で犬歯間幅径が狭窄し、前歯は出っ歯に重なります。舌スペースが前方で狭く、下顎歯列は低位舌の圧で奥歯が低く押され、下犬歯内側に骨の隆起が発生します。幅も狭く、咬合高径も低くなり、舌の先端と後端の舌根部のスペース不足で咽頭部の気道閉塞も強まります。
鼻呼吸なら広い鼻腔で温まり、脳の機能熱冷却で温まった湿気のある吸気はゆっくり広い気道を通りますが、口呼吸では狭い口の中を乾いた冷たい呼気が、狭い咽頭を台風のような速度で通過するので、繊毛が荒れて痰が絡み咳が止まらない喉の違和感が長期間続いたり、喘息気味になります。咬合治療と舌トレーニングで改善します。
(2019年5月執筆)