妊娠中の食物除去
アレルギー 女性
妊娠中に特定の食物除去を行っても、生まれてくる赤ちゃんの食物アレルギーを予防する効果はありません。日本や欧米のガイドラインは妊娠中の母親の食事制限を推奨していません。むしろ児の出生体重が少ない、早産が多くなる傾向がある、など負の影響が強いと結論づけています。
過去の研究では、妊娠中に母親が食べた食物に胎児が特異的IgE抗体を作る可能性があることが証明されています。しかし、出生後に児の免疫状況は変化します。胎内で食べ物に対する特異的IgE抗体が産生されても、児の皮膚状態や食物への暴露など出生後のさまざまな環境刺激が影響して、特異的IgE抗体が産生されにくくなることが分かっています。欧米では母親の妊娠中のピーナッツ摂取が多いほど、児のピーナッツアレルギーが少なかったとのデータも出ています。
妊娠中は偏食をせず、バランスのとれた食事をとることが重要です。
(2019年5月執筆)