乳腺腫瘍
ペット 胸部・腹部
乳腺腫瘍は、体表から確認できるので触っていて気づくことも多く、最もよく遭遇する腫瘍の一つです。犬や猫の乳腺は脇の方から鼠径部まで続いている範囲の広い組織です。そこにできる腫瘍は多くが乳腺腫瘍と呼ばれますが、良性のもの悪性のもの、腫瘍化した組織の由来など種類は多岐にわたります。
犬では良性のことも多いのですが、猫では多くは悪性なので特に注意が必要です。また女性ホルモンの影響を強く受ける組織なので、雌かつ避妊手術を受けていない子は、雄や避妊済みの子と比べてリスクが非常に高いです。治療は外科による摘出が基本ですが、その手技は一つではありません。全身状態はもちろんですが、腫瘍が発生した場所・数・大きさなどによって再発や手術による侵襲を想定し、対応を考える必要があります。
まずは自分のペットをよく触り、しこりなどに気づいたときは、動物病院に相談するのがよいでしょう。
(2019年4月執筆)