小児の副鼻腔炎
子ども 耳・鼻・喉 診療のこと
副鼻腔炎とは風邪などの後に鼻の周りにある空洞(副鼻腔)に炎症が起こり膿が溜まる病気(膿の溜まらない場合も有)で、中耳炎同様、肺炎球菌、インフルエンザ菌などの細菌が原因です。発症から4週間以内の急性副鼻腔炎の症状は、黄色から緑色の鼻汁・鼻閉・鼻水が喉に回る後鼻漏による痰が絡んだ咳、頭痛(おでこや目の周り、頬の痛み)などで、アレルギー性鼻炎の合併が多く、子どもは風邪を引くたびに再発を繰り返します。
鼻腔の各所見から重症度を診断し、治療はまず鼻汁を吸引し鼻腔を広げ換気を良くします。その後、抗生剤などのネブライザーで直接細菌をやっつけます。これらは副作用が少ないので頻回に行います。中等度と重症に対しては、症状に合わせて抗生剤の変更や量を調整し抗アレルギー剤も併用します。それでも治りにくいときは、他の病気が隠れている場合があるので、鼻汁培養検査や鼻咽腔ファイバーをして治療方針を立て直します。
(2018年9月執筆)