噛みしめで咬み合せが狂う? (4)
口・歯 診療のこと
下奥歯が内側に傾いたまま成人になり40歳を超えた場合、内傾斜は進行し、咬み合わせの高さは奥歯で低くなります。小臼歯と犬歯は直立していて咬合圧を受け持つので、負担過重で直下に内側骨隆起も増大して、口腔内の舌スペースの高さ幅もが小さくなり、睡眠時無呼吸が発症します。身体肥満でなく痩せた体型でも顎と舌のサイズアンバランスで発症します。
口を開けて下歯列が舌の下に隠れ、喉の奥の粘膜壁が見えない場合は危険です。起床中は呼吸のために舌の筋肉を強く収縮させていますが、歯列痕で舌ガンの発症も。顎を前に出して気道を確保するため頭が前傾し、頸椎に負担がかかり猫背に。体の変形から頸椎ヘルニア、歯は咬耗(こうもう)していきます。
睡眠時低酸素血症の長期の影響は、血管内皮細胞に影響し、動脈硬化・心筋梗塞・糖尿・高コレステロールなど代謝障害を発症させます。40歳からの歯列矯正・咬合管理は重要です。
(2017年12月執筆)