認知症と歯の関係
シニア 口・歯
神奈川歯科大学の研究によると歯が20本以上ある人と比べ、歯が無く義歯を使用していない人の認知症リスクは約2倍になるという報告が発表されています。また、東北大学の研究でも、高齢者の健康な人は平均14.9本が残っていたのに対し、認知症の疑いのある人は約9.4本と明らかな差があり、歯の残存数と認知症リスクには関連があるとわかります。
入れ歯やインプラントで失った歯を補うことは、健康を維持していくことにつながります。ただし、歯を補うだけでは不十分で、咬み合わせを調整し、しっかり機能させることが重要です。歯を補った後もしっかりケアをし、歯科医院でメンテナンスを定期的に行うようにしましょう。厚生労働省研究班によると、高齢者の認知症は2012年時点で推計462万人、認知症予備軍といわれる軽度認知障害を持つ人を含めると800万人以上になるとされています。これは高齢者の4人に1人の割合です。しっかり噛める歯を守り、無くなった場合は補い、食べ物を噛むことで脳へ良い刺激を与えましょう。
インプラントは健康な歯を守りながら、失った歯を補える治療法です。ただし、インプラント治療には、治療を行う万全の準備と環境、患者様と歯科医師、歯科衛生士との密接な情報共有が大切です。インプラント治療を検討される時は、ちょっとでも疑問があれば相談することをおすすめします。
(2017年2月執筆)