つながりの回復
心・精神
職場での心身不調に関心が高まっています。不調の誘因として異動、残業の増大などによる心身の疲労が重視されています。ただ状況をうかがってみると、業務量の問題だけでなく「仕事を一人でこなしていて助けてくれる人がいない」「わからないことを相談できる人がいない」「叱責される」という悩みをほぼ伴っています。「良いつながり」が失われ「苦しい人間関係」が増え、これがこころの苦しみを激烈にします。したがって対処として薬物療法だけでなく「良いつながり」をいかに回復するかが急務となります。職場や産業医との連携もその一つです。また苦しい人間関係に圧倒されると、「内なる自分とのつながり」も見失われます。例えばよい自分がイメージできなくなり、希望が持てなくなります。「内なる自分とのつながり」の回復こそが、「生きる感覚」を回復していく究極のメンタルヘルスなのでしょう。
(2016年4月執筆)