抗不安薬・睡眠導入剤の利用は計画的に
心・精神 薬
抗不安薬・睡眠導入剤は心療内科領域を超え広く処方されています。効果が早く、副作用が少なく、ある心地良さもあり評判が良いのです。これらは1種を除きベンゾジアゼピン系と総称され、おおむね同種の薬です。しかし実はWHOで高リスクとされ「取扱い注意」薬なのです。まず使用すべきでない病態があり、またうつ病の治療が遅れやすく精神科的専門診断を要します。次第に睡眠が浅くなったり、かえって情緒不安定になる人もいます。高齢者では転倒骨折やもうろう状態のリスクがあり、同時に幻覚が生じることさえあります。しかし一番の問題は依存性です。これがよく処方される薬に多い傾向があります。一定期間以上使用するとやめにくくなり、効かなくなって量が増えてしまうこともあります。しかし使い方を間違えなければとても良い薬で、恐れることはありません。医師とよく相談しましょう。
(2016年2月執筆)