まだまだ見逃されているパニック発作
心・精神 診療のこと
「こんなことで来ていいのでしょうか?」そう話す人が多くいて驚きます。
そんな苦しみの一例がパニック発作です。例えば突然胸苦しさや動悸、めまいに襲われ、死んでしまうのでは、と恐怖に駆られます。狭心症などを疑い数多く検査を受けますが異常はありません。抗不安薬などが処方され、気のせいと思おうとしても、発作が続くことが多く、結局心療内科を受診されます。こうして最初のことばとなるのですね。パニック発作は気のせいではありません。単純に言えば、強烈な不安を伴う突然の強烈な自律神経の乱れで、症状は全身に及びます。窒息感・発汗・吐き気・腹部不快感などです。パニック発作を伴う疾患の代表はパニック障害ですが、他にも多様な状態で生じます。診断、治療法は確立していますがそれなりの熟練を要します。「こんなこと」と言わず、心療内科医、精神科医に相談ください。
(2015年10月執筆)