非定型抗酸菌症
シニア 女性 熱・咳・寒気
非定型抗酸菌とは、抗酸菌の中でも結核症を起こす結核菌とハンセン病を起こすらい菌を除いた約150種類の菌の総称です。非定型抗酸菌症は結核症のように人から人に感染し、死亡する危険率の高い疾患ではなく、羅患者から他の人に感染することはありません。年単位でゆっくりと咳痰などの症状が増悪する疾患のため、軽症例では自覚症状が全くなく健診で初めて指摘されることも稀ではありません。しかし他の疾患に比べて比較的初期から血痰が出ることがあり、血痰がきっかけで診断されることもあります。非定型抗酸菌症の約8割は単一の菌に起因する肺MAC症で、中高齢の女性に好発し、近年増加しており注目されています。治療に抗する例も多くあり、慢性的な咳や痰が徐々に増加し、微熱・倦怠感・体重減少・呼吸困難などが進んで死に至ることもあります。根気よく治療を続けなければなりません。
(2016年4月執筆)