担当医任せにしない歯科治療を
口・歯 診療のこと
歯の治療は日進月歩です。ひと昔前と比べると研究が進み、治療方法も医療機器も格段に精度が高くなっています。また、予防歯科という考え方も患者に浸透し、むし歯や歯周病による完全な歯の喪失も、60歳前後の残歯本数で比べると、1975年は平均14本でしたが2016年では平均24本と(厚生労働省e-ヘルスネットより)、できるだけ自分の歯を残すという意識の高まりが伺えます。
一方で「自分の歯は大切だけれど、歯の治療はよくわからないから担当医任せ」という患者さんもいらっしゃいます。これは実にもったいないと思います。歯の治療はそれほど難しいものではありません。医療機器も精度が良くなり、客観的に患者自身の口の状況が分かるようになっています。「しっかり食べ物がかめるようになりたい」という目標に対し、治療法はゴールに至るまでの道です。長い道なのか、近道はあるのか、それぞれの道(治療法)のメリット・デメリットを把握することで、自分に合った治療法が見つけられます。
近い将来、抜歯になる可能性が高い歯が多い、治療の道のりが長く目標が見えなくなっている、何度も総入歯を作り直しているといった患者さんの場合、インプラント治療の一つであるAll-on-4治療は近道の一つかもしれません。顎の骨量が少なくてインプラント治療ができず総入歯で我慢しているという場合は、ザイゴマインプラントという治療法もあります。自身の大切な口です。担当医任せにせず、口の状況を知り、どんな治療法があるのか一緒に考えていきましょう。
(2024年5月執筆)