昨今、心不全が騒がしい
胸部・腹部 診療のこと
心不全というと、亡くなる寸前の重い心臓病というイメージがあるかもしれませんが、その程度はさまざまで、普通の人とほとんど変わらず生活できる人もいます。実は、これから心不全になる人が急増するといわれています。今でも60歳以上の心不全の割合は5%を超えていて、80歳以上になると10%を超え、「心不全パンデミック」ともいわれるほどです。
心臓は全身に血液を送るポンプですが、心不全とはこのポンプの機能が低下して、必要としている量の血液を体に届けられなくなる状態のことです。心臓の血管が詰まって起こる心筋梗塞や心臓の弁の機能が落ちてしまう弁膜症、高血圧などで心臓の動きが悪くなるといったことなどが原因となっています。
ここ数年間で、これまでにはなかった種類の新しい心不全治療薬が何種類も開発され、使えるようになっています。これらの新しい薬を使って効果的に治療するには、心臓病の専門医に相談するのが良いでしょう。
(2023年6月執筆)