健診で分かるγGTPについて
成人 診療のこと
新年度になり健康診断の季節になりました。γGTPは、ガンマグルタミルトランスペプチダーゼの略で、アミノ酸生成に関わる酵素です。タンパク質を分解し、肝臓の解毒作用に関与する酵素として、肝機能評価の他、胆管や胆のう疾患の有無も推測できる検査項目です。過度の飲酒によるアルコール性肝障害で数値が上昇する項目の一つで、特にγGTPはアルコールに対し敏感に反応するため、肝障害を起こしていなくても、普段からよくお酒を飲む人では数値が上昇します。
一方で、非アルコール性脂肪肝炎(アルコールに関係なく肝臓に中性脂肪が蓄積して生じる肝炎)でも、γGTP値が上昇することが分かってきました。γGTPはこれらの他に、向精神薬や睡眠薬などによる薬物性肝障害や胆汁うっ滞、脂肪肝などが原因でも上昇します。
特定健診や健康診断で異常値の指摘を受けた際には、一度内科への受診を推奨します。
(2023年3月執筆)