災害時における高齢者在宅医療支援について(2)
シニア
高齢者における災害時要援護者とは、心身障害者や認知症患者、また日常生活において体力的に衰えのある高齢者などを示します。災害時には、災害時要援護者にとっては避難所生活が困難なことが多く、実際には自宅での在宅避難生活を余儀なくされることもあります。災害時の住環境にもよりますが、指定の避難所よりも在宅避難の方が病状を考慮すると安心な場合があります。
実際、2011年の東日本大震災時には、在宅での医療・介護支援の必要性が増加し、他県からも被災地へ在宅医療チームが参加していました。インフラ機能が停止している災害時には、生活環境へ適応した在宅医療チームの活動がより必要となります。また、医療福祉依存度の高いケースでは、介護力不足や食形態、食事環境の不備などを理由に、病院や福祉避難所への誘導については在宅医による早期判断が必要となります。
(2021年12月執筆)