貧血
成人 血液・血管
貧血は赤血球の数や、赤血球の中で酸素を運ぶヘモグロビンという蛋白質が不足し、血液が全身の組織に十分な酸素を届けられない状態です。貧血になると、心臓が酸素不足は自分の動きが悪いためだと勘違いして、より頑張って血液を送ろうと空回りし、ポンプの役割機能が低下して低拍出性の心不全に陥ります。そのため主な初期症状は動悸・息切れ・易疲労感です。
貧血の原因は過剰出血・赤血球の材料不足・血液を作る機能の病気・赤血球が破壊されてしまう病気の大きく4つに分けられます。過剰出血の原因は月経・妊娠・出産・外傷・消化器がん・胃潰瘍などで、材料不足は鉄・ビタミンB12・葉酸の不足があり、貧血の90%は鉄不足です。またビタミンB12は胃から吸収されるため、胃を取ってしまった人は要注意です。アルコールの多飲が葉酸欠乏を招くこともある他、腎臓で赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)が作られるため、腎臓の悪い人も貧血になります。
(2021年3月執筆)